屋久島エコツアー

 世界遺産に登録されている屋久島のすばらしい自然を見ることによって、地球のすばらしさを
発見できたらと、2003年8月17日〜24日の7泊8日、19人の子どもたちとともにエコツアーに
出発した。ひと月に40日雨が降るといわれる屋久島なのだが、今回は晴天続きのツアーであった。
今回の目的は「子どもたちが自ら成長しながら生きる力を身につけること、及び、屋久島の自然をまるごと楽しむこと」

私は、たえず同じ感覚で時を積み重ねていく「千年の森」へ足を踏み入れることに、胸が高鳴っていた。

 私たちスタッフみんなが屋久島が
初めてであったため、このツアー
を成功するため6月に2泊3日で
下見を実施。
 低気圧通過中の風雨の中、屋久
島連山を縦走しただけでなく、7
泊8日分の行程や宿泊場所を
レンタカーを借りて屋久島の南
東側半分を調べまわるという
地獄のようなハードな下見で
もあった。
 しかし、地元屋久町の教育委
員会、ツアーガイドさん、バス
会社、地元の猟師さんなどか
ら、観光誌には載っていない
屋久島のお薦めスポットや
有効な情報をたくさんいただ
くことができ、ツアーの骨格を
一般的なものとせず、ツアー
会社に頼ることなく、自分たち
でプログラム立てができ、子ど
もたちに伝えたい「もの」が定
まった。
 下見の意義はとても大きかっ
たと感じている。

8月17日 第1日目 屋久島到着。いよいよエコツアーのはじまり、はじまり。

兵庫県内から集まった小学校4年生から
中学校3年生までの19人が参加。
スタッフは男3人女2人の計5名で構成。

大阪空港から朝10時頃発の鹿児島
行きの飛行機に乗り、鹿児島から
屋久島行きの小さな80人ほどの
飛行機に乗り換えた。

午後15時には屋久島到着。
貸切バスにて最初の宿、安房の民宿
「まんまる」に到着した。
結構みんな楽しい旅行気分。

初対面の参加者が多いので、
これから8日間楽しく過ごせる
ルールづくりや、グループワーク
周辺散策で1日すごした。

海や周囲の樹木は南国ムード満点。

夜は星もきれいだった。

8月18日 第2日目 明日からはじまる屋久島縦走登山に向けての準備の日。
地元のガイドの方によると、小学生には厳しい行程なので、縦走はめったに行かないらしい。


自分の荷物は自分で担ぐことが
最低限のルール。2泊3日分の
自分の食料と機材を整理し、その全てを
40リットルのザックにパッキングした。

シュラフは3シーズンのものを使い、
ゴアッテックスのシュラフカバーで覆って
使用。緊急のビバーグにも対応できる
装備を整えた。

縦走登山中の食料主食5食分。
この他に初日のお昼は弁当。
携帯食としてチョコレート、あめ、
ビスケット、ドライフルーツが加わる。

午前10時すぎ、全ての装備を背負っての
歩行訓練に出発。行程は屋久杉自然館
までの約5キロ。半分は登りであった。
しかし、家々の見慣れない看板や初めて
見る木など、結構楽しめた。

初めての重装備に南国の暑さ。
子どもたちは結構放心状態だったが、
ザックの背負い方、荷物のつめ方、
余分な荷物の抜き出しなどを点検。
子どもなりに歩く覚悟を決めたようだ。

駐車場で昼食後、屋久杉自然館へ。
屋久島の歴史や自然、風土、屋久杉
のすばらしさなどを解説していただいた。
屋久島全体の地図なども頭に入って
よかったと思う。

8月19日 第3日目 いよいよ屋久島連山縦走ツアー2泊3日に出発。
あこがれの縄文杉や「こだま」にも会えるかな。
一般的な縄文杉に会う観光ルートではなく、宿泊も山小屋2泊のハードな行程。


朝4:30に起こされて、みんな眠そう。
5:30装備を整えて出発。
貸切バスにて淀川登山口まで移動。
淀川登山口にて、地元生まれの古参名物
ガイド渡辺さんら3人と合流。
登山中の自然解説とサポートをお願いした。
7:00登山口出発


登りばかり続く登山道に汗が一気に
噴き出してくる。2時間は森の中を
登りっぱなし。周囲の森のすばらしさ
に気づく余裕がない。

宮崎アニメ「もののけ姫」で山神の池の
モデルになったと言われる「花之江河」
10:00到着
今日は晴れていて明るい雰囲気だが、
下見のときは雨で霧が濃く、いかにも
森の湖に島が浮かんでいるようだった。

何箇所かクサリ場がある。
重い荷物を背負っているので、
子どもたちも必死であがっていった。

11:00頃には森から出て見晴らしが
利くようになった。屋久島らしい奇岩が
続いていて目を楽しませてくれる。

昼食後13:00頃には稜線を歩く。

頂上から下山して新高塚古屋に着いた
のは、もう日も暮れかけていた18:30
今日は実に11時間歩きとおしたぞ。
14:30全員無事宮之浦岳の頂上に立った。
標高1,935m 
今、私たちが九州地方で一番高いところに立っているよ!

15:00までのんびりお昼寝。いい風が吹いていた。

8月20日 第4日目 今日はいよいよ縄文杉に会える日だ。
世界で一番長生きの木は、いったいどんな姿を私たちの前に見せてくれるのだろう。
朝7:00新高塚小屋出発。
夜中にパラッと雨が降ったが、朝までには
やんでいた。今日もいい天気になりそうだ。
小屋を出て約1時間半あまり、森が
屋久島らしいコケむした杉と、ヒメシャラ、
照葉樹の森になった。

沢ごとに水が流れ、倒木がコケむしている。

8:30 あこがれの縄文杉に会った。
思いのほか静かに立っていた。

木は生きている。
私も生きている。
森の中で、
一つの生命に溶けあった時間。

今回のエコツアーのひとつの目的
である縄文杉に、全員無事に会う
ことができたね。

縄文杉の立っている辺りは、とても
不思議な時間が流れている。
じっと木を見上げているだけでパワーが
みなぎってくるようだ。

9:00縄文杉からは観光ルートに入り
急にすれ違う人の数が増えた。
木道と階段をずっと歩くので
歩幅が機械的になり膝にくる。

このルート上にはガイドブックでよく見
かける木に会うことができる。
仲良く合体した「夫婦杉」9:30
いったいどうやってくっついたのだろう?

「大王杉」は今にも動き出しそうな
躍動感と貫禄があった。9:40
周囲の森には不思議な形をした
樹木がたくさんあり、見ていて楽しい。


縄文杉を目指す日帰り登山者と
ちょうどすれ違いが多くなる時間帯なので、
人ごみを避けて自然観察路に入った。

昨日の午後頂上に立った宮之浦岳が
もうあんなに遠くに見える。
子どもたちもすごい。1日でこんなに
歩くことができる。がんばれる。

11:00 「ウィルソン株」
中は5m近い空洞があり、中から
上を見上げたときは、まるで
「トトロ」の家のような情景であった。

なんとなく、見上げた空間がハートの
形に感じたのは気のせいだろうか。

無事11:30にはトロッコ道に出た。
ここからはメチャクチャ単調。
いったいどこまで歩くんだという感じ。

白谷雲水峡への分岐まで2時間近く
延々と歩いた。

単調なトロッコ道の疲れを取るために、
昼食は川原でとった。

しばらく川遊びをしたが、水のきれいさ、
冷たさは疲れを取ってくれる。
泳ぎだす子も出てきた。

白谷雲水峡へ入ったとたん、そこは
アニメ「もののけ姫」の世界。
いたるところに「こだま」がいそう。
こちらを覗いていそうだ。
緑のコケがほんとに美しい。

18:00 白谷小屋到着
今日も10時間歩きとおした。

子どもたちも歩くリズムができて
いるようで、いたって元気。
この小屋は私たちの貸切だった。

8月21日 第5日目 今日はのんびりタイム。いよいよ下界に下りる日である。

今朝はゆっくり起きて8:30出発

雲水峡の不思議な風景を見ながら
一路白谷雲水峡入口を目指す。

途中に水遊びができる場所がないかと
探したが、一般の雲水峡見学者が多く、
泳ぐのは断念。名物ガイド渡辺さんから
屋久島の森の不思議を解説してもらう。

このあたりは観光地。ハイヒールを
履いた観光客に会うようになった。

2泊3日の屋久島縦走登山も無事終了。みんな予想以上にがんばってくれた。
子どもたちの中に秘めるすばらしい力を感じることができ、とても頼もしい。

15:00
平内の屋久島ユースホステルに到着。
今日は食事も携帯食ではなく豪華。

おまけにお風呂もゆっくり入って、普段の
やんちゃ小僧の顔にみんな戻っていた。

8月22日 第6日目 今日からはプログラム内容もガラッと変わって、海と川を感じるプログラム。
屋久島のもうひとつの顔。南国の島を楽しもう。


平内のユースホステルから、栗生の青少年
旅行村まで7キロの徒歩移動。
ワンボックス1台レンタカーを借り、
荷物だけ運んだ。
途中の神社などで「だるまさんが転んだ」
などを遊びながら、のんびりの徒歩移動。

午後は旅行村から車で10分ほどの
大川の滝へ移動


大川の滝は日本の滝百選。
高さ88mの大瀑布である。

水量もすさまじく、私はこんなスケール
の滝をはじめて見た。

屋久島の水の多さを実感できる
ものであった。

お昼までは滝の下で水遊び。
冷たくて10分が限界。
水量が多いせいか、川底がとっても
きれいである。
旅行村ではコテージ泊。
南国リゾート気分!!

8月23日 第7日目 海を楽しむ1日である。
午前中は子どもたちを半分に分け、塚崎タイドプールでの磯の観察とシーカヤック体験。
午後は中間の浜で海水浴である。

お天気も最高!!カヤック日和
海の色、空の色、風の色、
どれをとっても南国気分。


河口周辺の森は結構ジャングルっぽくて、
無人島を探検しているような気分だった。

おませな娘たちは、いたるところに
咲いているハイビスカスの花が
気に入ったみたい。
午後は海水浴。

つい2日前まで、3シーズンのシュラフに
くるまって寝、長袖を着てちょうどよかった
同じ島とは考えられない。

近所の方が、孵化すぐの海カメの子どもを
見つけてきてくれた。

孵化のシーズンもそろそろ終わりとのこと。
元気に育ってほしいと、みんなで海に放した。

よく見ると、朝巣立って行ったカメの足跡が
砂浜にも大量に残っていた。

とうとう、屋久島での最後の夜がきた。
このツアーの天候を象徴するような、
きれいな夕日が沈んでいった。

最後の夜、参加した子どもたちは、
屋久島の自然と、このツアーについて
どう感じたのか、お互い話し合った。

はじめた会った仲間だけれど、
はじめて会った自然だけれど、
とても大切なものをいっぱいもらった。

8月24日 第8日目 最終日 いよいよ屋久島ツアーも終了


屋久島をいよいよ飛び立ちます。
また来たいと感じる島だったね。

大阪空港で解散式。
阪神間の子どもたちはここで解散です。

但馬に向かうバスの中、屋久島の
夢でも見ていたのだろうか。